私の現在地はどこか。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。明けましておめでとうございます。ブログは初めて書きます。2期生のヨルです。
年は明けまして2020年になりましたが、去年、映画チア部としてMOOSIC LAB2019(以下、ムーラボ)の審査に携わらせていただきました。


私はムーラボ作品が結構好きで、今回審査に携わらせていただけた事がかなり嬉しかったのですが、まずは私とムーラボの出会いから簡単に書いていきたいと思います。 


私が映画を観るようになったのはつい2年前の事で、それまで映画館という場所に何となく足が向かなかったのですが、出町座が出来た時に「なんだか面白そうな施設ができたぞ!?」という興味からだんだん映画を観るようになったのです。
その頃の作品の選び方は、出町座の上映スケジュールを見て、なんとなーく、面白そうだなと思った作品を観ていました。今もそうですが。
その作品の一つだったのが2017年のムーラボで観客賞を受賞した『少女邂逅』です。


一気に惹かれました。当時保紫萌香として出演されていた穂志もえかさん、そしてモトーラ世理奈さん。2人の透明感や何か暗い過去を抱えていそうな独特な雰囲気が、作品にかなりマッチしていて画面から目が離せませんでした。
そして内容自体もなんだか周りに馴染めなくて、生きづらさを抱えた学生(若者?)を描いていて、共感するところが多くありました。さらに枝優花監督が切り取る場面や世界が美しくて、たちまちこの映画の虜になったのです。
そしてムーラボ最大の魅力であり、コンセプトであるのが「映画」×「音楽」。それすら知らなかった当時ですが、エンディングに流れた水本夏絵さんの「ほうかご」という曲が作品とリンクしていて耳に残っていたため、上映後すぐにiTunesで購入して、それを何度もリピート再生しながら帰路についた事をよく覚えています。
『少女邂逅』はDVDも入手し、「何か元気でないな~」、「誰かから共感されたいな~」という少しモヤモヤした気分の時に部屋を暗くして観ることにしています。
まだ若輩者ではありますが、これまで観た映画の中で一番大事な映画を挙げるとしたら、絶対に『少女邂逅』です。
私とムーラボの出会いは、簡単に言えば「偶然」だったのです。

その後、『月極オトコトモダチ』、『無限ファンデーション』を観て、「ムーラボ」という企画自体に興味を持つようになりました。



そして最近観たのが、『暁闇』。

ムーラボ2018長編部門で準グランプリを受賞した作品です。

こちらも現代社会に生きる若者の陰鬱な感情や日常を描いているという意味では『少女邂逅』とリンクする部分もあったのですが、『暁闇』には曲を巡って3人の少年少女が出会うという描写があり、個人的に「こういうの、いいな~」と思いました。

3人は、友達とも恋人とも言えないようななんとも微妙な距離感で日々を過ごしていく。そんな干渉しすぎない、微妙な距離感って、時にすごく心地よく感じるのではないかと思います。

3人はそれぞれに様々なバックボーンを抱えているわけで、それも観ていて苦しくなるようなものばかりなのですが、3人出会った事により、いつか離れてしまうかもしれないけど、心のどこかで繋がっている、拠り所となる関係が構築されたのでは?と思います。それってなんか、いいですよね。

そして特に私を虜にした点が2つありまして、1つ目が青木柚さん。もちろん中尾有伽さんや越後はる香さんも素敵だったのですが、青木柚さんは特によかったな~と感じました。
世界に絶望したような、凪いだ瞳がとても素敵なのです!頑張って背伸びしているような所や胸の内を爆発させるシーンには月並みな表現にはなりますが、心を打たれました。
そして2つ目がLOWPOPLTD.さんの音楽。本作品でキーとなる「Angel 2」という音楽がとても素敵なのです。ちょっと不協和音のようなメロディも複雑な登場人物たちの心境を表しているようで、すぐに好きになりました。

『暁闇』は私にとって今年観た映画の中でもずっと大事にしたいと思える作品でした。




そして、お待たせしました!ムーラボ2019!!

先日、結果が発表されましたね。もちろん短編長編どちらも納得のいく結果だったのですが、賞を取った作品はもちろん、それ以外の作品も良い作品がたくさんありました!

そして語りたい欲が爆発したので、以下に今回のムーラボ2019で上映されていた作品について述べたいと思います🙌

全部は多いので、私の心に残った作品について簡単に話していきます。

まずは、短編部門から2作品を紹介します!



1作品目は『ソウル・ミュージック』です。

こちら、今回短編部門で準グランプリ、ミュージシャン賞、そして男優賞(個人的にも多分チア部的にも大島輝之さん、小山和朗さんお2人での受賞はかなり嬉しかったです!!)の3つを受賞されました。

この作品は、私にとって「ムーラボってこんなのもアリなんだ!」とムーラボの新しい可能性を見た作品です。
まずムーラボなのに主人公は2人のおじさん!(偏見)、そしてムーラボなのに幽霊!(偏見)
2人のおじさんがプロジェクトXさながらのナレーションとともに幽霊の声を録音する冒険に出かけるのです!
多分最初は世界観のインパクトが強すぎて混乱するかもしれませんが、次第にトンデモ企画に真摯に(?)取り組むおじさん2人を応援したくなってくるのです。観終わった後の率直な感想としては「ヤバいものを観てしまった…」(褒めてる)です。あと大島輝之さんと小山和朗さんのコンビがかなり良いので、観ていて2人のやり取りに微笑ましくなってきます。さらに短編でありながら「幽霊」というものに真正面から体当たりで挑んでいると思います。
ちなみに撮影は本当の廃墟で行われていそうな感じですが、私なら撮影だとしても絶対行きたくないです←
という意味でも、2人や撮影クルーさんすごいと思いました。



続いて、2作品目の『たまつきの夢』。

『たまつきの夢』のあらすじについてはこちらの↑ムーラボのページからご覧ください!

正直に言うと、短編部門では『たまつきの夢』が個人的に一番好きだったのですよ〜☺️

今回の作品の中では唯一昭和初期を舞台にした作品です。現代を舞台にしている他の作品とはまた違った独特な雰囲気を持っています。

題名の通り本当に「夢」のような作品です。胸が締め付けられて、私はかなり好きでした。
アクションシーンなどのように盛り上がるシーンもなく、淡々と日常が過ぎていく中でのひとときの「特別」であり、「夢」。何より、主演の辻千恵さんと金井浩人さんがとても良いのです。

辻千恵さん演じるヒロインにとって、金井さん演じる男性は空虚な日々に一瞬の光を与えた存在なんじゃないかなと思います。ちなみにダンスのシーンがこれまたとても良いのでまだ鑑賞されていない方は、いつか鑑賞する機会に恵まれた際には注目してご覧ください!

金井さんは、鈴木卓爾監督の『嵐電』(2019年)にも吉田譜雨役で出演されていて、『嵐電』を観た時も何となく、「この俳優さんから目が離せないな〜」と思っていたのですが、今回何も知らずに『たまつきの夢』を観た際にも「この俳優さんから目が離せないな〜」と思い、よく見たら金井さんだったのです!これからが楽しみな俳優さんです。

そして辻千恵さんも今回何と、ムーラボ2019で短編長編いずれでも主人公を務めるというすごすぎる方で、辻さんについてはまた後ほど!

いつか映画館で観たい!と思った作品なので、何卒!!どこかの映画館の方(特に関西圏)!!お願いします!🙇‍♀️



ではでは、長くなりすぎてしまったので、続いて長編にいきます!
長編からは3作品紹介します。


まず1作品目は、『眉村ちあきのすべて(仮)』
こちらは今回、審査員特別賞、観客賞、ベストミュージシャン賞、女優賞というまさかの4冠を達成した作品です。
しかし、この作品、語る上で1つ困ったことがありまして、話せば話すほど、初めて観る方の「面白い!」を奪いかねないのです…。もちろんまだ観ていない方の方が多いと思うので、ここでペラペラと語るよりも実際に観に行って頂きたいのです。というか観て!下さい!!!
もうすでに順次劇場公開が決定しているので、皆さん、観てください!!!!
この作品はもう今の段階では「観て」としか言いようがないのです。
参考までに私が鑑賞した際の反応だけ簡単に記します。
「ふーん」→「は!?」→「えぇぇぇぇ…」→「うぉー!」→「あぁぁ……」→「ワタシ、キョウカラ、マユムラー…」と言ったところでしょうか?なんか途中からジャンプでも読んでいるのだろうかと思いました。いやでもジャンプ…というわけでもなく…これは新しいエンターテインメントです。
ぜひに!!!


次に2作品目、『男の優しさは全部下心なんですって』です。
こちら↑から作品の紹介を見ることができます!

こちらの作品、なんと言っても題名が衝撃的ですよね。
何を隠そう私元々この作品に出演されていらっしゃる水石亜飛夢さんを一度ミュージカルで拝見しておりまして、その時からファンなのです。そのため、この作品の存在も水石さんのTwitterで知りました。ムーラボに推しが出る、こんなに幸せな事があるでしょうか。それはさておき、水石さんの演技を観る事も楽しみでしたし、『たまつきの夢』で主演だった辻千恵さんが主演であるという事に後々気づき、かなり期待値が高かったのです。
そしてその期待を裏切らない作品でした。
私のような一鑑賞者が言ってもちっぽけな意見のひとひらでしかないのですが、のむらなお監督は天才です。のむらなおという才能と出会う事ができて幸せで、これからの作品も観ていきたいです。
この作品は簡単に言うと、辻さん演じる宇田みこ(漢字あっているんだろうか…)が男の優しさ(意味深)に翻弄されるという話です。
この作品は内容もさることながら、俳優陣の皆さんが圧巻でした。特に主演の辻千恵さん、そして水石亜飛夢さん、森蔭晨之介さん、五味未知子さんがとてもとても印象的でした。
辻さんは「変化」の表現がとても上手いと思いました。この作品についていえば、宇田みこを丁寧に見つめて、もはや彼女は辻千恵ではなく、宇田みこだったのです。宇田みこ自体も作品の中でどんどん変化していくのですが、その変化の表現が自然で、『たまつきの夢』や『冥界喫茶ジュバック』(ムーラボとは直接的に関係ない作品ですが、YouTubeで観られるのでぜひ!)の辻さんとは全然違って、彼女は変装しない怪人二十面相か?という感じです。そして今回辻さんは女優賞を受賞しているのです!!妥当!
そして…と水石さんや森蔭さん、五味さんの話もしたかったのですが、つい熱くなり、辻さんの話がかなり長くなってしまったのと、この作品以外の作品でも「この人はすごい!」という俳優さんがたくさんいたので、その方々も含めて、また別で書くことにします!
それから、メリーゴーラウンドやうさぎの着ぐるみ、風船というポップなモチーフが出てきて画面が可愛い!のに、これは公開される事になったらR指定がつくのでは…というほど過激な性描写がところどころあったり、どんどん堕ちる宇田みこちゃんであったり、そんな作品を彩るDJ後藤まりこさんの最高な音楽などなど、語り出したらキリがないですねこれ……。
今回は自重します…。
私この作品、映画館で観たいので映画館で上映してください!!!お願いします!!!何卒!もし、出町座でやってくれるとかってなったら、チア部で何かやりたいな〜(言うだけ言ってみる)というレベルで好きです!


最後に3作品目、『ドンテンタウン』です。
こちらは準グランプリ、そして笠松将さんが男優賞を受賞しておられます。

ちなみに個人的に長編部門の中で一番好きな作品でした。
「団地」という舞台も素敵ですが、何より佐藤玲さんと笠松将さんという主演のお2人がよかったのです。
佐藤玲さんは今回初めて知ったのですが、こんなに素敵な女優さんがいるんだなと思いました。くるくる変わる表情とかが、愛嬌があってとても可愛いのです。そして他の作品を観た事がないので、『ドンテンタウン』に限った事しか言えないのですが、笠松将さんとよく馴染む…。2人だからこそ出せる空気感が最高でした。他にもここが良かったとか色々言及したいのですが、これ以上は…ネタバレになってしまうので……。ファンになったのでいつか実際にお会いしてお話ししたいなぁ(言うだけタダ)と思っています。
そして笠松将さん。彼は『カランコエの花』が多分ファーストコンタクトだったのですが、『カランコエ』とはまた違って、今回笠松さんを観て本当に好きになりました。独特な雰囲気を持っていますよね。『ドンテンタウン』を観た後、心に残りすぎてうわ言のように「笠松…笠松……」と言っていたような気がします。何卒どうか、佐藤さんと笠松さん2人揃って出町座に舞台挨拶に来てください…(言うだけタダ)。

そして内容も…もちろん詳しくは言及できないのですが、現実と幻想の狭間で揺れる物語で、個人的にかなり好みでした。こんな事を言うとチープになってしまうかもしれないのですが、物語が蓄積されていくにつれて、最後なんだかわかりませんが、自然に涙が出てきました。未だに謎です。 
団地であったり、ラジカセであったり、舞台や小道具もなんだかエモくてエモが好きな私はすぐに虜になりました。
この作品、たくさんの人に観て欲しいです。だから!映画館で上映してください!!!お願いします!


気づけばこんなに長く書いてしまいました…。初めてのブログだと言うのに。でもムーラボ作品は本当に素敵な作品ばかりで、今回審査に携われた事により、愛が爆発してしまいました。なので大目に見てください…。
先ほど行った通り、ムーラボの俳優さんについても色々言及したいので、また書きますね!
恐らく2019年の作品は順次映画館で公開されていくと思うので、ぜひ観に行ってみて下さい!また、現在U-NEXTで過去作のアーカイブ配信もやっているみたいです。今回紹介した作品以外にも素敵な作品が揃っているので、ムーラボ作品を観た事がある人もない人も何卒ぜひ映画館に足を運んでみてください〜!

ヨル

映画チア部京都支部

関西のミニシアターの魅力を伝えるべく結成された、学生による学生のための宣伝隊〈映画チア部〉の京都支部です。2018年5月発足

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