暖冬なのでもっと寒くなる映画を観よう
こんにちは。
今年は暖冬だそうで、コートを着て出かけると汗をかいてしまう日もありますね。
よく、「すずしくなろう!」ということでホラー映画特集が夏に組まれますが、今年は秋から冬にかけてのこの時期に、ちょっとぞわぞわっとくるような怖い映画を観ませんか。
というのは多少こじつけで、ただただ私がそういう映画が好きなので皆さんと共有しようと思ったので記事にしました。
このブログタグ「部員日記」はツイッターで書くには長すぎるようなことをチア部が語る、つぶやく、たれながす、叫ぶ?ような場所にしていこうと思っていますよ。
話を戻して、私はおばけや怨霊、この世のものではない何かが出てくる話や、ちょっと異様だったり気味が悪い話、狂気的なものを感じる話がとても好きです。
ですが私の場合、グロテスクな描写や展開にもっていかれると興ざめしてしまいます。そういうのは皆みていて気持ちのいいものではないから、誰でも簡単に多少不快な思いにさせることができると思うんですよね。ホラー映画にわりとありがちな、殺人鬼やお化けに登場人物が襲われる際の過度なグロシーンは見ていて「あー結局安易な手に打って出てしまいましたねあなた」という誰から目線かわからない感想を持ってしまいます。
だから、他の人が思いつかないような異常な人物描写や、精神状態が崩れていく様子を丁寧に描いているもの、その発想はなかった!というような狂気を、過剰なグロなく描いてくれているものは、感動するというか、「これこれ~~!」という感じでうれしくなります。
たぶんそういう映画は、監督自身が実際心の奥に持っているヤバさ・狂気のようなものを観客に対してさらけ出してくれているから、真実味をともなっていて安心できるんですね。感謝です。
映画チア部京都支部でたくさんとり上げている『君が君で君だ』が私の心に刺さった理由もおそらくそこにあって、あの狂気じみた設定は松居監督のどこかにずっとあった発想なんだなあというのを観ていて感じて、それでこの気持ち悪い、とドン引きされそうな発想をスクリーン上にさらけ出してくれてありがとうございます…という感謝の気持ちでいっぱいです(笑)
『君が君で君だ』についてはチア部ではたくさん言及しているのでここでは深堀りはしないでおこうと思います。
1『シャイニング』 スタンリー・キューブリック 1980
アマナイメージズ
前置きが長くなりましたが、まずはこちら。
シャイニングは一人のごく普通の人間が少しずつ精神に異常をきたし、おかしくなっていく様子を丁寧に描いてくれています。
生まれてはじめて見たホラー映画(ホラー映画…ですよねこれサイコホラーかな?)がおそらくこれだったと思います。
小説家志望のジャックという男性が、妻と娘を連れて、冬の間は閉鎖されるホテルに閉鎖期間中、管理人として住むことになる。実はこのホテルでは、かつて精神に異常をきたした管理人が家族を惨殺するという事件が起きており、当時は何も気にしていなかったジャックもやがてその邪悪な意思に飲み込まれていき…
最初に見たときは本当にこわい!!という印象だけが強くて、物語の最後の方はずっと画面を見ていることができず、チラ見程度で見ていた気がします。
しかし、何年かたって他のホラー映画もいろいろみた後2回ほどリピートして見たのですが、その時は怖さよりも、この映画はすごい、という感情が強くなりました。
何がすごいかというと、ホラー映画は数あれど、こんなにも丁寧で、唐突でなく、かつグロに頼っていない映画は少ない、ということです。
冬に、広いホテルで自分と家族の3人しかいない。外は豪雪でもちろん訪問者もおらず、逃げ出すこともできない。スマホで気軽にツイッターできるような時代でもない。そんな状況を想像してみてください。そりゃあ絶対おかしくなるでしょう。物語の進み方に違和感がないんです。
考察メインではないので細かい解説記事は他サイトを見ていただきたいのですが、最も印象に残っているのはやはり有名なタイプライターのシーンと、斧のシーンです。(庭の中を逃げるシーンやダニーが三輪車でホテルをうろうろするシーンも捨てがたい)
映画『シャイニング』より引用
「仕事ばかりで遊ばない。今にジャックはバカになる」
All work and no play makes Jack a dull boy
小説を書いていたのかと思って、ジャックの妻ウェンディが彼のタイプライターをのぞきこむと、この文章だけが打ち方を変えつつ大量にタイプされている。
ひ、ひえ~~~~~
原作を読んでいないので原作にもあるのかわからないのですがたしかこのシーンは映画の装飾係の人がこのタイプを打ったことからできたシーンとメイキングでいっていたような…?
実は私、中高で、某英語塾に通っていたのですが、そこでは与えられた英文を覚えて暗誦しないと帰れない「おかえり」という制度がありまして、その中でこのAll works … が出てきた週があったんです。どこかで聞いた文章だな?と思ったら、あ、シャイニングだ…って…
生徒が列になって一人ずつAll works…を暗誦しているのはなかなかシュールな光景で面白かったですがトラウマ再び…という感じでした(笑)
斧でドアを破壊するシーンはDVDやポスター表紙ですし、一番有名シーンなのではないでしょうか。何度も見すぎていて、コラ画像もいろいろ出回っているし、今見ると若干ネタ画像に見えてしまうのですが初見はほんと怖かったです。
ここもなにがすごいかというと安易にグロに走らないところ。なんか、ヘタしたらここで耳だけとか手だけとか切り落とされちゃいそうじゃないですか。そこをやらないので、小手先の技や恐怖に頼ってないとこがいいと思います。
『シャイニング』は最近では『レディープレイヤー1』でも出てきていて、全く事前情報なく観に行った私はそこでめちゃくちゃテンションあがりました。「うわあ!237号室だ!!!ということは…やばいぞ~~~~」とか思いながらみてました。
ホラー初心者にもおすすめな名作です。
2.『鳥/The Birds』 アルフレッド・ヒッチコック 1963
映画『鳥』より
私はどちらかというと原題のThe Birds の方が気に入っています。『鳥』ってなんか響きが間抜けな気がしちゃいます。The Birds の方が迫りくるかんじがします。
いつもの日常を送っていたのに、次第に鳥たちがおかしくなってきて、大量発生して…という動物パニックものです。
町に鳥が増えて人間を攻撃してくるなんて、あらすじだけ聞いたらちょっと笑っちゃいますけど、ほんとうに普通の日常からじわじわと変化していって、ついには死人もでるために、見ている方はだんだん怖くなっていきます。
この映画も随分前にみて、『シャイニング』とは違い1度しか見ていなくて正直しっかりとストーリーを覚えているわけではないのですが、大学に入って京都に越してきてから、この映画を思い出し、意識することが何度かありました。原因は鴨川のトンビです(笑)
気のせいかもしれませんが、夏の酷暑、台風と続いてから最近はそこまで多く見かけないのですが、鴨川のトンビが本当にすごくってよくこの映画を思いだしました。
自転車で大学に通う途中、曇り空、大量のトンビが旋回していて、足元には鳩、電信柱にとまった朝の集会中?のカラス…
実際、トンビに餌を狙われてケガした知り合いもいますし、ほんとにこの鳥たちが一斉に襲い掛かってきたら大パニックになるよなあ…と思ってみていました。
こちら、日常にだんだん違和感の波がおしよせるということで『シャイニング』とも少し似たところがあるかもしれませんね。
鴨川でトンビに狙われた経験がある方には特におすすめです。
文字数が多くなってきたので今回はこの2作でやめておきます。
けっこう前の映画2作になったので、次は最近の映画も紹介したいです。
そして、私の好きそうな怖い映画を知っている方はぜひ教えてください・・・!!
秋も楽しく過ごしましょう。
映画チア部 藤原
0コメント