あお うぜ〜

この映画を観に、アップリンク吉祥寺まで足を運びました。私の人生史上2年ぶり2度目の東京です。

題名の『夜空はいつでも最高密度の青色だ』ってどういう意味なんだろう、って考えながら夜行バスに乗りました。

朝、バスタ新宿に着いて写真を撮ったら空は最高密度の白色になって、笑っちゃいました。めちゃめちゃ快晴でした。


東京に行く前、ふと思いついて知り合いの方に原作本を借りることにして。きちんと出発前にお会いしてお借りできて、一緒に東京まで連れていきました。それもすごく素敵で嬉しかったのです!


青色の詩

彫刻刀の詩

新宿東口

24時間

プリズムの詩

花と高熱

ようこそ


観る前に読んだら少しもったいないような気がして、観終わったあとロビーの椅子に座って読みました。映画に出てきた言葉と、自分に届く言葉を見つけながら。

ロビーで開いた本の中の言葉は、美香の声で反芻されて、まだ映画の中にいるような気分になりました。今でも本を開けば映画の中に戻れるような気もします。



始まってすぐのあるシーンで

「大丈夫、すぐ忘れるから。」というセリフがありました。

あ、それ、『生きてるだけで、愛。』の津奈木も言ってた。

って思ったり。とにかく人間は何もかも結構な割合で忘れるし、自分は忘れるけど誰かには忘れてもらいたくない、なんて思ったりもします。

忘れないようにしていることは多分忘れないけれど、忘れないようにしている以外のことは、多分忘れてしまう。でも四六時中なにもかもを忘れず居ることはやっぱり無理で、自分の中から色んなものを忘れて生きているから、「今」を生きれているのだと思いました。

それに加えて、この視点で作品を観るなんて想像していなかったけれど、作品の中では、“死ぬこと”が交錯していました。映画を観ていて、その瞬間その瞬間の映像と言葉にしがみついていたら、登場人物の誰が死んだなんていうのは逐一覚えていなくて。「そういやこの人死んでいたんだ」とふと思い出したり。

数時間の映画の中ですら、色んなことを忘れてしまいます。

この方のツイートを見かけて、自分はどうやって死ぬんだろう、とかも考えました。

恋とか愛とか、というか他人と関わって私たちは生きているけれど、自分が知らない他者の部分は全部想像で補うしかありません。対面して言葉や態度で示してくれても他人の全てを覗ける訳じゃなくて、想像でしか補えなくて。

じゃあ死ぬことも想像だな、とおもったし、死ぬことはある意味他人事でもあるなあなんて。



公式サイトにはこんな最果タヒさんのことばがありました。


どんなに親しくても、そばにいる人たちの過去に何があったのか、すべてを思いやることなんてできないし、同じ未来を生きることなど約束できるはずもない。だからこそ、せめて、彼らの「今」に不恰好でもいいから、取り繕わずに飛び込みたい。



私も今を生きるので精一杯だから、全然他人のことや他人の死、まして自分の未来の死なんて思いやることが出来ません。


私が東京に行ってこの映画を見た

という「今」も気づけば4日前になってて。

「今」なんてちょうあっという間じゃん…なんて感じました。

でも、この作品を東京で観れたことは一生忘れないと思います。忘れなくないなあと思います。


京都駅から家までの帰りのバス、いつもとは違う路線で帰りました。

窓から見える景色とそれを見ている私はどこかまだ東京の世界から、映画の世界から抜け出せていない感じがしました。じゃあ映画と私の生活の境目って、一体なんなんだろう。



『君の鳥はうたえる』と立て続けに石橋さんがスクリーンにいて

去年からずっと好きな池松さんも東京を生きていて

今まで触れてこなかった最果タヒさんの言葉達が在って

松田さんと田中さんもいて

東京のほんとに、ただただ狭い狭い人間関係のお話だけれど、

わたしが今まで出会ったものややってきたことを少しずつ掻い摘んでくれたような、繋がっているような感じがしました。

だからこういう映画が大好きです。とても愛おしい時間が過ごせました。



アップリンク吉祥寺で朝から『君の鳥はうたえる』『夜空はいつでも最高密度の青色だ』『勝手にふるえてろ』の3本を観終わったら、外は真っ暗でした

夜空とパルコ


夜空は真っ黒なんだと思っていました。

でも、美香の「東京には黒がないからね。」という言葉で気がつきました。

夜空は真っ黒なんじゃなくて、青色が集まりすぎているだけなんだ。

黒じゃなくて最高密度の青色だ。



これも、黒じゃなくて 青

映画を観る前にみた予告編では気づかなかったけれど、映画を観たあとにみたら、やっぱり青だなって思います。

なんで最高密度の青色なのか、について作品の中できちんと言及されている訳では無いのだけれど。



この作品といつかまた、死ぬまでに、もう一度。スクリーンで会いたいです。

また会えますように!


映画チア部 岡本

映画チア部京都支部

関西のミニシアターの魅力を伝えるべく結成された、学生による学生のための宣伝隊〈映画チア部〉の京都支部です。2018年5月発足

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