これ 夢だね

おかとも、哲学科に所属していることは色々なところで お話をしているのですが

周りのみんなにそう伝えると 驚かれることが多いです。


これを言語として 映画の感想として

こうやってネットに書くことに少し悩みましたが

こころの中から溢れて止まらなかったので




毎日 普通に生きているけれど

ふと “死にたい感覚”みたいなものが 釣り上げられるときが在ります。


常に釣り糸が感情の海に垂れていて 

ちょっと何かが糸にかかれば すぐ “死にたい” 感覚が釣り上がるような、そんな感じ。

こうやって「死にたい」なんて言葉を 簡単に口にしてはいけないことは十分にわかっているつもりだし、簡単に言わないように心がけています。


でも 私にとって「死にたい」と口にする(文字にする) ことは

自分のからだを傷つける代わりのような行為なのではないかな、と思っています。

からだを傷つけない代わりに 言語化をすること。



今月あたま、心のなかから大事なものがなくなってしまったような感覚になって。

そこからずっと鬱々とした毎日を過ごしていました。(低気圧のせいでもあるのだろうけど)


まあそういう感覚は みんな もっているのかもしれないけどね。

辛くないのは分かってるんだけどね。

この雨が終わればまた、鬱々とした気持ちも晴れるんだろうね。


そんな気持ちでなんとなく 出町座の椅子に座り 『暁闇』を観ました。


ラストのシーンでユウカがポロポロ涙を流している時

やっぱり わたしも涙を流してしまって

最近読んだ本に 

モンテーニュの「泣くことも一種の快楽である」という言葉が出てきたけれど

チア部日記に書き残している作品で 涙を流さなかった作品の方が少ないような気がします


そのくらい 大事な作品になりました。





急にギュッと死にたくなる 感覚

目の前が真っ暗になって これはもう生きている意味が無いと思ってしまうこと

自分の周りには ちっちゃくても とても小さくても幸せが在るのに それに目を向けず

不幸せだけに目を向けて 死にたくなること


心の支えがいつのまにか無くなったとき立ち尽くしてしまう 感覚

ほかのもので埋められないような 

自分の心の中でとても大事な部分を占めていたものが 

急になくなった時 行き場のない感情が生まれてくること


傷を舐めてほしいと願う 感覚

物理的に舐めることは 視覚として仰々しいけれど 

精神的に舐めてもらうこと 慰めてもらうことも 本質的にはそこまで変わらないように思っています

心の奥底を提示せずに 傷の舐め合いで済ませてしまうこと


誰でもいいから 抱きしめてほしいという 感覚

好きでもない人に抱きしめられても ぜんぜん嬉しくないのは分かっているのに 

誰でもいい なんて言ってしまう軽薄さ

ほんとうは抱きしめてもらう前までの自分が いちばん大好きなこと




具体的なシーンや台詞というよりも

“感覚そのもの”として ダイレクトに感じとることができました。


加えて キャストのみなさん。本当に皆さん素敵でしたが

コウ役の青木柚くんが突出して印象的です。

とても とても素敵な俳優さんだと思いました。


彼のことは『アイスと雨音』で知って

今回のこの作品で、彼の目の演技がとても好きだなと思いました。


脚立に足をかけるところも

机につっ伏すところも

イヤホンをさすところも

なにげない仕草の一つ一つ、そして目の演技にひきつけられて。

次の作品も楽しみになりました。

またいつか直接お会いしてみたい。



私が鑑賞した回は 阿部はりか監督の舞台挨拶つきで

田中さん(出町座支配人)は、サキ役の越後はる香さんを絶賛していました。


監督は質疑応答のお時間で

SoundCloudには初期衝動に溢れる曲が在ること

花火のシーン の裏話(監督は詳しくお話してくれたけど これは 誰にも言わず内緒の方がいいかもしれない・・・)

『暁闇』というタイトルに込められた意味

などをお話してくれました。


監督の言葉の選び方がとても素敵で

私もこんな人になりたいな、と思いました。


10月、劇場に足を運ぶ時間が取れず

1本も映画を観れていなくて


この作品を観て

久々に 1人で きちんと作品と対峙できた気がします。

観るべき映画には 必ずきちんと足を運ぶようになっているんだ

そういう、運命のようなものも感じて。


映画を見たあとのバイトの帰り

鴨川にかかる橋を渡っていたら 東の空に キラキラ色が変わる 星が在りました


どこを歩いても 何をしてても

わたしの京都での生活にはいつか終わりがくること それがいつも頭のなかにあって

毎日が 夢のようだと思っています 

布団の中で鬱々としている毎日ですら


花火の中サキが言った言葉を 聞き取れてしまいました。


思い出すという作業をしないと思い出せないことが 在ること 

そのことが 何故か今はとても苦しくて辛くて

それをそのまま 映像にしてくれている作品だと思いました


まだ思い出せるうちに どうしても活字にしておきたかったので、この場を借りて。

この作品にスクリーンで出逢えてよかった。ありがとうございます。


映画チア部京都支部 岡本


映画チア部京都支部

関西のミニシアターの魅力を伝えるべく結成された、学生による学生のための宣伝隊〈映画チア部〉の京都支部です。2018年5月発足

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